前回は小学校受験と中学校受験でかかる学費の違いで、より偏差値の高い学校に入れるケースが多々あるというお話しをしました。
では小学校受験で第1、第2志望校に合格できず、不本意な第3志望校、第4志望校に合格した場合にはどうすべきでしょうか?
私はその学校が進学校でないのなら、公立に行って気持ちを切り替えてしっかり中学受験に備えるべきだと思います。それには理由があります。
通常中高まで続いている私立小学校は、進学校でないかぎり通常のびのびと育て基礎力を養うことを重んじています。その小学校が大学まで続いていれば、更にその色が濃くなります。その中で少数の中学受験組がいても周りとの温度差があり過ぎて、すぐに自分に甘くなり、「出来が悪かったら6年生の段階で付属中学に上がればいいじゃないか。その利点があるから第1志望でなかったけどこの私立に入った」と保護者は正当化して、中学校受験に真剣に取り組まなければいけないことを先延ばしにしてしまいます。そしてその時点で、何が何でもここで決めてやると意気込んでいる公立で頑張っている中学受験組に気持ちの上で大きく負けてしまいます。その後結局付属中等部に上がり、外部から中学受験組が入学してきて、その生徒たちが成績の上層を占める。 付属高校に上がるときも同様の事情が起きる。不本意な気持ちで入学した大学付属の小学校ではじまり、気付いてみれば高校3年生になり、自分の子はもっと上に行けたはずと思っても時すでに遅しで、不本意な大学ですらもお子様に行かせてあげたいと思う学部には成績及ばず入れない。または大学の推薦すらももらうことができなくなる、という負のスパイラスに陥った家庭は実際たくさんいらっしゃいます。どこで間違えたのか 。。。 小学校の行き先でしょう。資金に余裕があるからと我が子へのため愛情を思って踏み入ってしまった道は最後まで不本意な結果を引き起こす可能性があります。
何故保護者は小学校受験や中学校受験をさせたいと思うのか?それはまだまだ学歴社会が残るこの国で、自分のお子さんにこの学歴ハンデをつけさせ、有利な条件で社会に送り出してあげたいと思う親心が一番大きいファクターだと思います。お子様が第一志望校に合格できず第二、第三志望に合格したらどう決断するかを保護者様は今の内から考えておくべきです。どの大学卒という肩書きが安心できるラインなのかを考えてみてください。その設定ラインより下の大学付属初等部では、そのまま大学まで上がってしまう可能性がとても高いということを理解してください。 その付属の高校で他大学に推薦をもらうことだってできるじゃないかと楽観視しますが、先程話したように中等部、高等部から受験で入ってきた生徒たちに大概推薦は持って行かれます。そうならば、気持ちを切り替えて、保護者様は気持ちをリセットして、そしてもう一度崖っぷちに追い込んで公立で中学校受験に望むべきです。
ただ全てをリセットをしても、0からのスタートにならない大きな財産があります。それはお子様が小学校受験で取り組んだ知識であり勉強に対する姿勢です。小学校受験を真剣に取り組んだお子様は年長12月時点で小学校2年生の学力は持っています。ですから小学校入学前に小1小2の算数、国語の参考書を購入して進めるとこまでどんどんゲーム感覚で進められます。事実私立進学校の新1年生対象の最初の保護者会では早速プリントが渡されて入学までに九九が言えるようにして入学式を迎えてくださいと言われています。対照的に大学付属の小学校では3年生になっても完全に九九を覚えられない生徒もたくさんいます。そのような環境の違いで中学校受験を取り組むと6年生時にどのくらいのハンデができるかは想像できると思います。そしてもう一つ。小学校受験を真剣に取り組んだお子様は1時間以上椅子に座って机で取り組むことが身についています。この2つの環境が備わって次の6年間中学受験に取り組めば、間違いなく不本意な結果にはならないと思います。
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